THE 有頂天ホテル

憲二はホテルアバンティで働きながらシンガーソングライターを目指している。しかし、30歳を前に歌手への道を諦め、故郷へ帰ることを決心した。大晦日の夜でベルボーイの仕事を終えるのだ。ところが、大物演歌歌手の徳川が客として訪れた。歌に自信を無くし、自殺したいという。憲二は止めるために徳川の前で歌うのだった。もしかして、諦めた歌手への世界が開けるかもしれないと秘かに思いながら。シングルマザーのハナは、かつて国会議員武藤の愛人をしていた。今はこのホテルで客室係をしている。客の部屋の掃除をしていると、ゴージャスは衣装やアクセサリーが散らかっていたので、悪いと思いながらも身につけて鏡に自分を映してうっとりとしていた。そこに、男が入ってきて、ハナはこの部屋のゴージャスな客と間違えてラウンジに連れ出されてしまうのだった。国会議員武藤は、汚職でマスコミに追い詰められホテルを転々としていた。そして、ホテルアバンティにたどり着いたのだ。証人喚問でしゃべってしまうか、黙って政治家を続けるか、それとも自殺してしまうか。そんな時、コールガールのヨーコに出逢う。ヨーコは武藤と一緒にホテル内を歩く。その姿を見てホテルの従業員たちの態度も変わった。夢ごこちのヨーコ。だが、武藤が自殺することを知って、何とか思いとどまらせようとするが、武藤は一人部屋にこもってしまうのだった。